ブロアシステムのオーバーホール / Blower system rebuilding
クーラーが正常に機能しない911にとって、ブロアシステムは大事な存在。モーターの機能確認、管路の内の汚れ落とし、フラップバルブとコントロールケーブルの作動確認、給油などを一通りやっておく。
まずはエアインレットグリルの取り外しから。グリルとボディの間にはガスケットが入っているが、これはアセテートテープで複製する予定。
トランクの奥、ダッシュボードのすぐ前に配置されている左右のフラップバルブボックスに、中央のブロアーユニット。ケーブルやロッドで風量と風向が切り替わる仕組み。
左側のフラップバルブ周りにアクセスするにはブレーキマスターシリンダーが邪魔。取り外さなくても作業はできそうだが、ブレーキもオーバーホール予定なので取り外す。
ブロアユニット。このモーターは開放型で、古くなると内部に埃が堆積して回転が渋くなることがよくあるようだが、この個体は問題なし。周辺の様子からも過去に交換されている印象を受ける。左右のバルブを連結するロッドは、なぜか片方のスナップリングが外れていた。ハウジングを分解して点検と掃除を進める。
とここで部品取り用ブロアユニットから取り外してあったモーターを観察。シャフトの左右に設けられたスリットからオイルを注入すればプレーンベアリングに給油される構造であることが分かる。
シャフトからファンを取り外すことなく、ファンの小穴と上述のスリットを位置合わせし、オイラーでエンジンオイルを滴下。回転がさらにスムーズになったことを確認。
配管一式を取り外すついでに、クーラーのエバポレーターユニットも取り外し、周囲のものすごい汚れを落とす。このあと、当面使わない2つの内気吸入口にカバーをかけておいた。
エアインレットボックスのドレンホースが硬化してクラックも入っていたので、代用品として汎用の外径30mmのドレンホースをカットして組み込んだ。
エアインレットボックスを取り外した状態。続いて取り外した左右のフラップバルブボックスとそのコントロールケーブルは全般的に動きが渋く、室内でのレバー操作力の高さはこれが原因と分かった。部品の破損や変形ではなかったので一安心。